ホームへ トピックスへ 会員広場 お役立ち情報へ SSMとは SSMカレンダー サイトマップ


酔芙蓉によせて

一世(ひとよ)とは短きものよ酔芙蓉   かい

夕されば紅極まりて酔芙蓉        安芸

もう、随分以前のことですが、パートで総武線で船橋まで通っていました。
船橋駅に到着するちょっと前に電車の窓から
駐車場の隅にある大きな酔芙蓉の木を見ることができました。
幹の太さが20cm余りもある大きな木で毎年沢山の花をつけました。

真っ白に咲いているなかに点々と赤いものも混じっています。
あれは何だろうといつも電車の窓から見ていました。

高橋治さんの「風の盆恋歌」を読んで、本の中で重要なそして効果的な役割を担っている
「酔芙蓉」に興味がわき、是非見てみたいものだと憧れました。
そんななか ふと、いつも見ているあの木じゃないかしらと思い、思い切って訪ねていきました。やっぱりそうでした。胸が高鳴りました。

あの頃 時間を違えてしょっちゅう見に行ったものです。
私が電車から見るのは8:30頃。もう咲いています。
10:00頃行ってもまだ真っ白です。お昼過ぎ1:00頃からやっと薄〜いピンク色になり、
4:30頃帰りの電車から見る頃には
きれいなピンク色でした。その後はどうなるのか残念ながらわかりません。

翌日見ると 前日はあんなに真っ白に気高く品良く咲いていた花が
紫がかった赤い色でしぼんでしわしわとなっています。

その色たるや 爛れたような紫赤で、決して美しくはありません。
淫微な感じさえします。

純白に咲いて最後はただれてきたない赤になる・・・
この過程がいいのですね。ドラマティックななにかを感じます。

船橋西武デパートの前に時々植木市が立ちました。以来「酔芙蓉」が出ていれば買い求めました。他の木に較べて安くはなかったです。

鉢植えで買ってきてもなかなか咲かないし、一度などはやっと咲いたと思ったら薄いピンクの、しかも色も変わらないただの八重咲き芙蓉だったこともあったりして、いつの間にか我が家のヴェランダから次々と消えてしまいました。

私がパートの仕事を退める数年前にある日突然木は根元からバッサリと伐られて処分されてしまいました。虫がついて、苦情が出たのだそうです。確かに虫がいっぱいついて、葉がレースのようになったりしていました。
駐車場の隅に植えてあって手入れも行き届かなかったのでしょうね。

「酔芙蓉」 は私にとって思い入れの多い花です。俳句の会に、この名が付いたこと、とても嬉しく思っています。
                         文 しか女


酔芙蓉トップページへ